「会議で上司から急な依頼が来たけど、今の業務量だと厳しい」「取引先からの飲み会のお誘いを、失礼にならない形で辞退したい」。社会人として英語を使う場面が増えてくると、こうした「断る」場面に意外と頻繁に出くわします。筆者も駐在経験のある同僚やネイティブの上司とのやり取りの中で、最初は「No, I can't.」としか言えずに気まずい空気になった経験が何度もあります。今回は、ビジネスシーンで角を立てずに断る・辞退するための実践フレーズを、丁寧度別に整理してご紹介します。
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英語の「断り方」がTOEICや英検の勉強だけでは身につかない理由
TOEICのリスニングパートや英検の面接対策では、依頼や提案に「応じる」会話はよく出てきますが、「丁寧に断る」会話はあまり重点的に扱われません。しかし実際の職場では、断る場面のほうが対応を間違えると関係性に影響しやすく、むしろ重要度が高いとも言えます。英語の「断り」には日本語の「検討します」のような曖昧な保留表現があまり機能しないため、やわらかく断る専用の言い回しを覚えておく必要があるのです。
基本の型:クッション言葉+理由+代替案
ビジネス英語で断るときの基本パターンは、次の3ステップです。
ステップ1:クッション言葉で受け止める
- I really appreciate you thinking of me, but...(お声がけいただき本当にありがたいのですが)
- Thank you for the offer, however...(お申し出ありがとうございます、ですが)
ステップ2:理由を簡潔に伝える
- I'm currently tied up with the Q3 report.(現在Q3レポートで手が離せません)
- My schedule is fully booked this week.(今週は予定が全て埋まっています)
ステップ3:代替案を提示する
- Would it be possible to revisit this next week?(来週再度相談させていただけますか)
- Could someone else on the team take this on?(チームの他の方にお願いできないでしょうか)
シーン別「お断り・辞退」フレーズ集
会議・ミーティングの提案を断る
- I see your point, but I have some concerns about the timeline.(おっしゃることは分かりますが、スケジュールに不安があります)
- I'm afraid that approach might not work for our team.(恐れ入りますが、そのやり方は私たちのチームには合わないかもしれません)
飲み会・ランチの誘いを断る
- I'd love to join, but I already have plans tonight.(ぜひ参加したいのですが、今夜は既に予定があります)
- Can I take a rain check on that?(また次の機会にお願いできますか)
仕事の依頼・タスクを断る
- I don't think I can give this the attention it deserves right now.(今は十分に対応できる状況ではないと思います)
- That's outside my area of expertise, but I know someone who could help.(それは専門外ですが、対応できる人を紹介できます)
価格交渉・条件変更を断る
- Unfortunately, that's not something we're able to accommodate.(残念ながら、それはご対応できません)
- We'd love to help, but that falls outside our current scope.(お力になりたいのですが、現在の範囲を超えてしまいます)
場面によって「どのくらいやわらかく、どのくらいはっきり断るか」の匙加減が変わってきます。以下に丁寧度別の整理をまとめました。
| 丁寧度 | 表現例 | 使うシーン |
|---|---|---|
| カジュアル | Sorry, I can't make it this time.(今回は無理そうです) | 同僚とのランチ・雑談の誘い |
| ビジネス標準 | I'm afraid I won't be able to take this on right now.(恐れ入りますが、現状対応が難しいです) | 社内の依頼・タスクの打診 |
| フォーマル | After careful consideration, we regret that we are unable to proceed.(検討の結果、大変恐縮ですが対応を見送らせていただきます) | 取引先への正式な回答・メール |
実務でやりがちな失敗パターン
筆者が実際に失敗したのは、断る理由を省略して「No, sorry.」だけで済ませてしまったケースです。相手には「何か気に入らないことがあったのか」と不安を与えてしまい、後からフォローのメールを送る羽目になりました。逆に、理由を長々と説明しすぎるのも禁物です。英語のビジネスコミュニケーションでは、理由は1文程度に留め、その後すぐに代替案や感謝の言葉につなげるのが鉄則です。「断る→理由→次の提案」という流れをワンセットで覚えておくと、とっさの場面でも落ち着いて対応できます。
まとめ
英語で上手に断ることは、関係を壊さずに自分の状況をきちんと伝えるための重要なスキルです。今回ご紹介したクッション言葉・理由・代替案の3ステップと、丁寧度別のフレーズを組み合わせれば、会議でも飲み会の誘いでも、落ち着いて対応できるはずです。まずは自分がよく遭遇する場面を1つ選び、そのフレーズを声に出して練習してみてください。
