「英語で電話がかかってきたら、まず何と言えばいいんだろう」。これは私が社会人になって最初にぶつかった壁の一つでした。メールなら辞書を調べながら時間をかけて書けますが、電話は待ったなし。相手の声が聞き取れなかったり、保留にする一言が出てこなかったりして、冷や汗をかいた経験がある方も多いのではないでしょうか。
この記事では、20年以上英語学習を続けてきた中で実際の業務で使ってきた「電話対応フレーズ」を、シーン別に整理してご紹介します。TOEIC600〜800点台、英検準2級〜2級くらいの方であれば、単語自体は知っているものが多いはずです。大事なのは「とっさに口から出てくる型」を持っておくこと。今日から使える実践フレーズを、一緒に確認していきましょう。
Contents
電話英語でつまずく人が多い3つの理由
まず、なぜ電話英語が難しく感じるのかを整理しておきます。
- 相手の表情や資料が見えないため、聞き取りの手がかりが音声だけになる
- 「取り次ぐ」「保留にする」「伝言を預かる」など、日本語でも日常では使わない定型表現が多い
- とっさの一言が出てこず、無言になってしまい焦る
裏を返せば、よく使われる型を10〜20個覚えてしまえば、電話対応の大半はカバーできます。英会話力そのものよりも「場面に応じたテンプレート」を持っているかどうかが勝負なのです。
電話を受けるときの基本フレーズ
名乗り・最初の一言
会社の代表番号や自分の内線で電話を受けるときの定番表現です。
- Good morning, Sales Department, this is Shinji speaking.(おはようございます、営業部のシンジです)
- Thank you for calling ABC Corporation. How may I help you?(ABC社にお電話いただきありがとうございます。ご用件は何でしょうか)
- Who am I speaking with, please?(どちら様でいらっしゃいますか)
最初の一言は正直、何度も声に出して練習して「口が覚えている」状態にしてしまうのが一番の近道です。私は入社1年目、通勤電車の中で名乗りの一言だけを30回くらいブツブツ練習していました。地味ですが効果がありました。
相手を取り次ぐときのフレーズ
- Could you hold on a moment, please? I'll transfer you to Mr. Tanaka.(少々お待ちいただけますか。田中に取り次ぎます)
- I'll put you through to the person in charge.(担当者におつなぎします)
- I'm afraid he's on another line right now. Would you like to hold, or shall I ask him to call you back?(あいにく他の電話に出ております。お待ちになりますか、それともこちらから折り返しましょうか)
伝言を預かる・聞き返すときのフレーズ
電話対応で最も実務的に重要なのが、この「伝言」と「聞き返し」のパートです。ここが曖昧だと、後で社内に間違った情報が伝わってしまうこともあるので、正確さを意識しましょう。
伝言を預かるフレーズ
- Would you like to leave a message?(ご伝言はございますか)
- Let me take a message for him.(彼への伝言をお預かりします)
- Could you tell me your name and phone number again, just to make sure I have it right?(念のため、お名前と電話番号をもう一度確認させてください)
- I'll make sure he gets your message as soon as he's back.(戻りましたら必ず伝言をお伝えします)
聞き取れなかったときのフレーズ
これを知っているだけで、電話の心理的ハードルが大きく下がります。「聞き返してもいい」と思えるだけで、焦らずに対応できるようになるからです。
- I'm sorry, could you say that again?(すみません、もう一度おっしゃっていただけますか)
- I'm sorry, the line is a bit unclear. Could you speak a little more slowly?(すみません、電波が少し悪いようです。もう少しゆっくりお話しいただけますか)
- Could you spell that for me, please?(お名前のスペルを教えていただけますか)
- So, just to confirm, you said 3 p.m. on Thursday, is that correct?(確認ですが、木曜の午後3時ということでよろしいでしょうか)
「So, just to confirm, ...」は社会人の電話対応で本当によく使います。聞き取れた内容を自分の言葉で言い直して確認するクセをつけておくと、聞き間違いによるトラブルをかなり減らせます。
自分からかける・かけ直すときのフレーズ
- Hello, this is Shinji from ABC Corporation. May I speak to Mr. Smith, please?(ABC社のシンジです。スミスさんはいらっしゃいますか)
- I'm calling regarding the proposal we sent last week.(先週お送りした提案についてお電話しました)
- I'm returning your call.(折り返しのお電話です)
- Is now a good time to talk, or should I call back later?(今お話しして大丈夫ですか、それとも後ほどかけ直しましょうか)
トラブル対応フレーズ(間違い電話・電波不良)
- I'm afraid you have the wrong number.(申し訳ございませんが、お電話番号が違うようです)
- Sorry, we seem to have a bad connection. Can you hear me now?(すみません、接続が悪いようです。今は聞こえますか)
- I think we got cut off. Let me call you right back.(電話が切れてしまったようです。すぐにかけ直します)
電話を切るときの一言
- Thank you for calling. Have a good day.(お電話ありがとうございました。良い一日を)
- I'll get back to you by tomorrow afternoon.(明日の午後までにご連絡いたします)
- Please don't hesitate to call again if you have any questions.(ご質問があればまたいつでもお電話ください)
実践練習のコツ:フレーズは「音」で覚える
電話英語は、読んで理解するだけでは本番で全く出てきません。私が実践して効果があったのは次の3つのステップです。
- 声に出す:上記のフレーズを一つずつ、感情を込めて音読する
- シャドーイングする:英語のビジネス電話対応の動画や音声教材を使い、聞こえた直後に同じスピードで真似して言ってみる
- ロールプレイする:同僚や学習仲間と「受ける役」「かける役」を交代しながら実際に声でやり取りする
特にロールプレイは効果が高いです。私は海外拠点とのやり取りが多い部署に異動した際、先輩に頼んで週1回5分だけ電話対応のロールプレイをしてもらいました。最初は台本を見ながらでしたが、1ヶ月ほどで台本なしでも対応できるようになりました。
まとめ:型を知っていれば電話は怖くない
英語の電話対応は、特別なセンスや高い英語力が必要なわけではありません。「名乗る」「取り次ぐ」「伝言を預かる」「聞き返す」「かけ直す」という5つの場面に対応するフレーズを、口に馴染むまで練習しておくことが何よりの対策です。
今回ご紹介したフレーズの中から、まずは3つだけでも選んで、今日中に声に出して練習してみてください。次に英語の電話がかかってきたとき、きっと今までより落ち着いて対応できるはずです。
