15年以上、レストランサービスの現場に立ち続け、ワインソムリエとして数多くの料理とワインをお客様へお届けしてきました。
料理は「味」だけでなく、「言葉」で伝える時代です。
シェフではありませんが、長年サービスマンとして現場を支えてきた中で、フランス語やイタリア語の調理用語を理解しておくことの大切さを強く感じてきました。
「エチュベ」「ブレゼ」「ロティ」——これらの言葉を正しく理解できれば、料理の背景やシェフの意図までお客様に伝えられます。
さらに、英検準1級の英語力を活かし、海外のキッチンで実際に使われる英語表現も交えて紹介します。
このブログでは、
サービスマンだからこそ知っておきたい調理用語15選を、フランス語・イタリア語・英語・日本語の4つの視点からわかりやすく解説します。
料理を「運ぶ人」から、「語れる人」へ。
この知識が、あなたのサービスを一段上のステージへと導くはずです。
Contents
なぜサービスマンに調理用語の知識が必要なのか
サービスマンの仕事は、ただ料理を運ぶだけではありません。
お客様が「この料理を頼んでよかった」と感じる瞬間をつくること。
そのためには、料理の意図を“言葉”で伝える力が欠かせません。
シェフと同じ“言語”で会話できる
厨房では、フランス語やイタリア語の調理用語が当たり前のように飛び交います。
「ソテー仕上がり3分」「ブレゼ入ります」「ロティあと5分」——こうした言葉の意味を理解していれば、
サービス側も料理のタイミングを正確に把握でき、提供のリズムが格段に良くなります。
お客様に料理の背景を伝えられる
例えば、「本日の魚料理は“エチュベ”という調理法で、素材の香りを閉じ込めながら優しく蒸し煮にしています。」
この一言を添えるだけで、料理の印象は何倍にも豊かになります。
お客様は、ただ食べるだけでなく、「どんな意図でこの料理が生まれたのか」を知りたいのです。
サービスマンがその橋渡しをできると、テーブルでの会話が自然と弾み、満足度も高まります。
グローバルなお客様への対応力が上がる
インバウンドや外国人ゲストが増える中で、英語で料理を説明できるスキルは大きな強みです。
あなたの英語力とサービス経験を組み合わせれば、
「世界のゲストに伝わるおもてなし」を実現できます。
フランス語・イタリア語・日本語の調理用語15選
Étuver/Stufare/蒸し煮
Sauter/Saltare/ソテー
Braiser/Brasare/ブレゼ
Griller/Grigliare/グリル
Rôtir/Arrostire/ロースト
Pocher/Pocher/ポーチ
Frire/Friggere/揚げる
Blanchir/Sbollentare/下ゆで
Napper/Nappare/ソースをかける
Réduire/Ridurre/煮詰める
Caraméliser/Caramellare/キャラメリゼ
Mijoter/Stufare/煮込む
Mariner/Marinare/マリネ
Mélanger/Mescolare/混ぜる
Refroidir/Raffreddare/冷やす
キッチンで飛び交う英語表現(リアルな会話例)
サービス中のやり取り
Chef: “Table four’s mains up in three minutes!”
Sous-chef: “Copy that. Lamb’s resting, sauce is reducing.”
仕込み・準備の場面
Chef: “Did you blanch the asparagus?”
Cook: “Yes, Chef. Blanched and shocked in ice water.”
サービスマンが知っておくと信頼される「料理の言葉力」
- 「説明できる=信頼される」
- 「理解している=チームに貢献できる」
- 「外国人シェフやゲストにも対応できる」
料理の“言葉”を知ることは、おもてなしを深めること
調理用語を知ることは、単に「知識を増やす」ことではありません。
それは、シェフの想いを理解し、お客様にそれを伝える“通訳者”になることです。
エチュベも、ブレゼも、ロティも——その一つひとつに意味と背景があります。
料理を出すとき、ただ名前を伝えるだけでなく、
「この調理法だからこそ生まれる香りや食感があります」と語れるサービスマンは、確実に信頼を得ます。
ソムリエとして、そしてサービスマンとして私が感じるのは、
“知っている”という小さな積み重ねが、お客様の満足につながるということです。
そして、その知識が英語やフランス語、イタリア語などの“言葉”を通じて世界とつながっていく。
「料理の言葉を知ることは、心を届けること。」
あなたもぜひ、次のサービスから、
「ただ運ぶ」ではなく「語って届ける」一皿を目指してみてください。
その一歩が、きっと“本物のおもてなし”に近づくはずです。
